砂防調査(立木調査) iPhoneで樹高測定

砂防調査として代表的なものに立木(りゅうぼく)調査がある。
流木調査ともいうが、ここでは立っている木の計測についてなので、立木調査と呼ぶことにする。
発生流木量の把握のための現況調査法のうち、1ヶ所当り10m×10mの範囲で立木、伐木、倒木の長さや直径を測るサンプリング調査法が代表的だろう。
伐木や倒木は倒れているので簡単に測れるが、立木は10m程度以下の高さのものであれば、2mポール何本分という目分量でもそれほど問題にはならない。
しかし、10mを超える立木だとポール何本分という測り方では誤差が大きくなる。
特に山の中で樹木が密集しているところでは、あまり目標から遠ざかることができず、比較的近い場所から高さを測らなければいけない。
そうすると誤差が大きくなってしまい、正確な樹高(立木の高さ)が測れない。
樹高を計測するのにレーザーを用いた測高計があるが、数万円という高価なものになってしまう。
他の方法として、ワイゼ測高器やクリステン測高器など専用の器具が存在する。
最近、樹高を測る画期的方法を見つけた。
それが最近買ったiPhoneである。
iPhone 3GSには、コンパス、GPS、重力センサー等内蔵した超小型の高性能マシンだ。
標準でコンパスや現在地が分かる機能などが入っているが、アプリを追加することで、水準器になったり、物の長さなどを計測できるダイメンションなどは有名だと思う。
そこでまさかとは思ったが、「iPhone 樹高」で検索してみると、なんとヒット!
樹高計測可能なアプリ「iHypsometer」というアプリが存在した。
Lite版とPro版があり、Lite版は無料、Pro版は350円である。
Pro版だと1つ1つのデータに木の種類や日付、名前など登録でき、メールで送ることも可能。
Lite版でも基本機能は十分で実用に支障はないと思う。
測定方法は簡単で下図の要領で行う。
1)目標となる木の根元にポールを立て、SETボタンを離す。
2)ポールの上端を見て、SETボタンを離す。
3)木の上端を見て、SETボタンを離す。


ポイントは最初にSETボタンを押し続けること。左上の「NEXT」と表示されているところをタップすると「SET」に変わる。
SETボタンを離した瞬間に角度が入力される仕組みになっている。
気を付ける点は、iPhoneの上面が計測する時の目標に対して一直線になっていること。
そうしないと正しい角度が得られないので注意が必要だ。実際にビルの壁などを使って練習しておくといいだろう。
実際に測ってみたが、かなり精度の高い結果が得られた。
どの計測方法でも目標に近すぎると誤差が大きくなるので、せめて木の高さ程度は離れたい。
高価な測高器など使用しなくてもiPhoneとこのアプリのお陰で簡単に樹高測定が可能なのは感動もの!
このアプリを開発されたTAAKKUMN氏に感謝!感謝!
theme : iPhone 3GS
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